馬絹の集合住宅

東急田園都市線 宮崎台駅からほど近い川崎市馬絹4丁目に建つ集合住宅。 馬絹という土地には、古墳時代後期に建造され、朝鮮半島の古墳からの影響も受けたと考えられる馬絹古墳も所在している。 太古の記憶に呼び起され、対話するようなたち方をすべきと考えた。 湿式還元焼成タイルとアルミ縦格子の外壁は、土に折り重なる地層の歴史とそこに降り注ぐ幾筋もの光のかけらである。 表層的に色と線と素材を重ねることが、なぜかこの地にはふさわしく思えた。エントランスホールには、鏡面ルーバーで表現された光の断片が降り注いでいる。車のドレスアップのためのボディフィルムを手掛けるメーカーと共同開発したアルミルーバー鏡面フィルムは、光を反射させ、実態と鏡像の狭間に潜むデザインとなった。過去から未来へつなぎ、未来へ放つかがやき であってほしいと願う。







